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京の年中行事だったの?

「歌舞伎」というカテゴリを作っては見たものの、書くことがない。今月は歌舞伎を見る予定がないから。歌舞伎を見るまで待ってるといつまでも空っぽのままになってしまうので、無理矢理何かを書こうと決めた今日・・・

私の贔屓は五代目片岡我當丈。知る人ぞ知る存在なのが勿体ない。とても佳い芝居をする役者なのだ。簡単なプロフィールを・・・
昭和10年、13代目片岡仁左衛門の長男として生まれる。
彼の弟には二代目秀太郎、十五代目仁左衛門がいる。
簡単すぎ?
私が我當さんのファンなったのは今から11年前の10月。その前から注目はしてたけど、ファン宣言というか我當さんにお会いしたのがその時なのだ。多分、若い歌舞伎を知らない女の子がへらへらやってきたので、面白がってくれただけなんでしょうけど、最初からとてもよくして戴いた。だから初めの頃はストーカー並みに我當さんの芝居を見まくり、出待ち入り待ちをしたもの。あのころのパワーはもうないから見まくったり、出待ちしまくったりはないけど、欠かさず芝居は見ている。東京に限るけど。お住まいは東京なんだけど、片岡家は上方の役者の家ということになっているので大阪や京都での芝居に出る方が多いのだ。前はね。ちゃんと行ってましたよ。ほぼ全部。今じゃ無理。普通に旅行行くのより出費がかさむので、こう不景気だとね。

で。タイトルのこと。歌舞伎界は番頭さんというマネージャーさんのような人が役者にはついている。その方がご贔屓に出演スケジュールをチラシとともに発送し、チケットの手配を承る。
我當さんの番頭さんからその出演のお知らせが着たのだった。もう暮れのスケジュール。まだ夏のような暑さだってのに。京都南座の顔見世のお知らせがそれ。
今年は鴈治郎さんが坂田藤十廊の襲名興行。そのせいか、昼夜の芝居に名前を連ねてる。ほとんど観たことあるけど、そのどれもがお気に入りの役。一瞬悩んだ。でもねえ。どんなに安い席で観ても5,250円(取るのは至難の技)。夜行バスで往復したって18,000円。それだけで2万を超えてる。・・・とても無理。それにその翌月、つまり正月は歌舞伎座で坂田藤十廊の襲名興行。多分、演目の幾つかは同じ筈。
この顔見世、この不況下にものすごいお大尽商売。一等席なんて庶民にはとても手が出ない24,150円。京都に住む友人が言っておりました。京都に住んでたってよう行かれへんわ。・・・もう少し安くならないものかしらね。

我當さんのお薦めは絶対「封印切」の八右衛門!!主人公をいじめる悪い奴なんですが、我當さんがやると何故か茶目っ気がある。憎々しい商家のお坊っちゃまなのよ。なのに。他の人でも見たことあるけど、八右衛門は我當さんだけだと思ってる。
次は「曽根崎心中」の平野屋久右衛門。主役の徳兵衛のご主人でおじさん。舞台に出てきたときは「何こいつ!」って言う位傍若無人な行動をするの。郭に甥っ子を探しに来るわけなので、蔑んだ態度に出るのも分かるんだけどね。その甥っ子の徳兵衛がお初と心中しようと思っていることを知ると、一転、もの凄く情の深い人になる。彼が二人を追おうとして店から出た所が泣ける。そこで幕になるから余計にね。
そして。「大石最後の一日」の堀内伝右衛門。この役も情のある役。自分の友人の娘を赤穂浪士切腹のその日に婚約者であった赤穂浪士の一人に会わせてあげる人。武士なので自分の気持ちを抑えつつ・・・という所が凄く感じられるのだ。
まだまだあるけど、この三役は我當代表作といって良いと思う。我當さんという役者の良さをとても感じられるのだから。
ちなみに来月、夜の部の一番最後「河庄」に孫右衛門で出る。ファンになって以来ずっと観たかった役。ようやく念願叶う。だから「オススメ」と言うことはできないけれど、観てほしい芝居。我當さんを知りたかったら是非。後悔はしないと思う。

by kikoma0721 | 2005-09-14 22:46 | 歌舞伎 | Comments(0)