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河庄 その2

5分遅刻。頭のスイッチが入ってなかったらしい。実は東銀座に着いた時点でギリギリだったのに、のんびりご飯買ってた。
今日は夜の部を通しで観る。・・・ちゃんとチケットを買ったって言う事ね。
まずは「引窓」。左團次さんの長五郎で初めて観る。
ご都合主義と有り得ない展開てんこ盛りの話。・・・だからって、笑っちゃ駄目だって。そりゃあね。ほくろが小銭のつぶてで取れるわけないもん。でも取れちゃう。そんな場面で爆笑が起きちゃうと、はっきり言って白ける。最近の日本人って駄目だなあって思う。あるままを何も考えずに受け入れて笑ってしまうんだから。おかしいかもしれないけど、母親の子供を思う気持ちが奇跡を呼んだんだって思えば感動できるじゃん。最近の歌舞伎の観客にはかなりむかつく。情緒がなくなってるよ。
次は「日高川入相花王」。初めて観たなあ。安珍と清姫の話で、人形振りで見せる芝居。なので、文楽風に口上から始まる。素直に「面白かった」。清姫が道成寺に逃げていった安珍を追いかけて日高川にかかるところから始まる。女って怖いよねえ。執念というか怨念こもってる。歌舞伎で男の人が彼女を思うと大抵「狂う」んだな。女の面影を思って。でも女はどこまでもどこまでも追いかける。追いかけて追いかけて、結果、追いつめる。あ〜、やだやだ。そう思いつつも英会話スクールでこのストーリーを説明する自分を思い浮かべてた。すると人形振りの説明でまず悩んでた。こういう場合「move」で言うのかなあ?とかね。聞かれるかどうか分からないのに。で、本題。川を渡りたいのに、船頭から逃げられてしまう清姫。どうしたか?泳いだわさ。泳いでる間にもう蛇に、般若になってた。ま、玉三郎さんのはまり役だね。途中から玉さんが人形に見えてきちゃったよ。そのぐらい凄かったって事。
さて。
2度目の「河庄」。やっぱりすごく良い!そりゃ勿論我當さんが、です。他にも良い人いた。一押しは壱太郎くん。初舞台から彼を知る私としては感慨無量ですな。いつの間にか大きくなっちゃって、立派に役者になってきている。治兵衛さんとこの丁稚三五郎の役。が、こいつ落語で言ったら与太郎。関西って今も昔も変わらず、辛気くさい話を辛気くさいまま出来ないらしい。こういうお笑いを入れてしまうんだな。で、そんな三枚目の馬鹿なんだけどちゃっかり者をきちんと笑いを取って出来てる。すごいなあと感動しちゃった。皆さん、注目ですよ!きっとこれから暫く出なくなっちゃうだろうし。台詞聞きながら、もうちょっとで変声期かな?って。私としてはお父さんのような素直な役者になって欲しいなあ。決しておじいさんのような色じじいにはならないでね。
2度目の我當さん、前回には気が付かなかったことが見えた。台詞も理解できた。一緒に行った人にも我當さん良い役じゃんと言ってくれた(^o^)そうですよ。我當さんなくしてこの芝居は成り立たないんだから!何度も何度も小春に手を合わせる孫右衛門は本当にすごくすごく情の深い良い人なんだなあって思った。
一つ気になることが。一応まだ幕が開いて1週間だから許されるけど、ジャックにプロンプターがまだついてる。齢85だから仕方ないのかもしれないけど、ちょっと気になる。今度観に行く時にはちゃんと台詞覚えていてね。頼んだよ、ジャック!

by kikoma0721 | 2005-10-09 21:56 | 歌舞伎 | Comments(2)

Commented by 小吉 at 2005-10-10 18:47 x
夜の部楽しみになりました♪ガトさんしっかり見てこなくちゃね。左團次さんの場合、とっても素敵なのに、なんとなく楽しくなる雰囲気もありますよねぇ。
Commented by kikoma0721 at 2005-10-10 21:12
左團次さんの長五郎さん、素敵でしたよ。菊五郎さんの十次兵衛がかなりコメディでした。吉右衛門さんとはやっぱり違うんだなあ。